ステッピングモーター(28BYJ-48)を分解して仕組みを調べてみた

投稿者: | 2018年5月16日

はじめに

電子工作で、とてもメジャーなステッピングモータ(28BYJ-48)があります。動作確認を行っているサイトや動画は沢山あるので、先に分解して中の構造を見つつ、このステッピングモーターの仕組みを調べてまとめます。

概要

このステッピングモーター(28BYJ-48)は永久磁石を使い、かつ、減速のためのギヤを内蔵した、PM型(Permanent magnet type)のギヤードモーターです。

参考資料

減速ギヤとギヤ比

蓋を開けると始めにギヤが見えます(写真1)。中心にあるのがローター(回転子)に繋がっているギヤで、各ギヤの歯の数は以下の通りでした。

写真1
ギヤAB1B2C1C2D1D2E
歯の数9321122982724
図1

ギヤ比を計算すると「(32/9)*(22/11)*(27/9)*(24/8) = 64」となので、ローターが64回転すると、表に出ている出力軸が1回転します。

モーターの内部構造

減速ギヤを外すとモーターの内部が見えてきます(写真2)。中心にあるローターに巻かれている黒い板が永久磁石です。縦方向にN極とS極が交互に複数並んでいます。(方位磁石等で確認すると引きつけたり反発したりで、複数の磁極が並んでいることが分かります)

写真2a
写真2b

ローターを外すとステータ(固定子)の内側に向か合わせに並んでいる爪のようなものが2段あります。この爪がクローポールと呼ばれるものです(写真3)。コイルに電流を流すことでクローポールに磁力を発生させて(励磁と呼ぶ)、S極とN極を作り出します。ローターの永久磁石とクローポールのS極とN極が引き寄せられることでローターが回転します。

写真3

ステータを取り外して横から見ると、向かい合わせに並んでいた爪の間にコイルが巻かれているのが分かります(写真4)。接続されている基板から配線を確認すると、青色と黄色が下のコイル、桃色と橙色が上のコイル、赤色が両方のコイルに接続されています(写真5)。

写真4
写真5

このコイルは逆方向に2つの線が巻かれていて、電流を流す線を切り替えることでクローポールの磁極を切り替えられます。(この巻き方をバイファイラ巻きと呼ぶ)

1つのコイルに対して上下にクローポールがあるので、電流が流れたコイルの段にはS極とN極の両方が現れます。

クローポールをよく見ると、上段と下段のコイルでは爪半分ズラされていていています。このズレに合わせて磁極を切り替えることでローターを一定の方向に回転させることが出来ます。

励磁方式

ステッピングモーターを駆動させる場合、相への電流の掛け方が3種類あります。この28BJY-48は4相なので以下のようになります。

1相励磁(1度に1つの相を励磁する)

STEP
1on
2on
3on
4on

2相励磁(1度に2つの相を励磁する)

STEP
1onon
2onon
3onon
4onon

1-2相励磁

STEP
1on
2onon
3on
4onon
5on
6onon
7on
8onon

1相励磁のイメージ

順番にコイルに電流を流してローターが動くイメージを図にしてみます。モーターを横から見て1相励磁により電流を流すと以下のようになります。決まった順序でコイルに電流を流すことでローターの極が移動していくことが分かります。

ステップ1

透けた緑の枠がローターのS極の1つを表してます。青色の線に接続されたコイルに電流を流すと、下段のクローポールが励磁されて、N極になったクローポールにローターのS極が引きつけられます。

ステップ2

桃色の線に接続されたコイルに電流を流すと、上段のクローポールが励磁されて、一番近いN極になったクローポールに、ローターのS極が引きつけられます。

ステップ3

黄色の線に接続されたコイルに電流を流すと、下段のクローポールが励磁されますがコイルが逆巻きなのでステップ1とは磁極が逆になります。

ステップ4

橙色の線に接続されたコイルに電流を流すと、上段のクローポールが励磁されますがコイルが逆巻きなのでステップ2とは磁極が逆になります。

以降、この4ステップを繰り返すことでローターが回転し続けます。

青ラインと黄ラインでの下段の磁極を確認した結果、青ラインへ電流を流すと底の磁極はS極、黄ラインならN極になっていることが分かります。

ローター1回転のステップ数

クローポールを利用しているPM型のステッピングモーターでは、ローターの永久磁石の磁極はクローポールの幅でS極とN極が交互に並んでいます。

28BYJ-48のクローポールの数は1相に8本ずつあるので、合計で32本になります。1相励磁で駆動させるとローターの1つの極が32箇所にとまるので、32ステップでローターは1回転します(1−2相励磁なら倍の64ステップ)。

ローター1回転のステップ数からステップ1回の回転角度=ステップ角は以下のようになります。 – 1相励磁と、2相励磁なら「360°/32step = 11.25°」 – 1−2相励磁なら「360°/64step = 5.625°」

ネット上で見つかるステップ角「5.625°」は1−2相励磁で駆動させた場合(制御できる最小)のローターの回転角度ということです。

出力軸1回転のステップ数と1ステップの角度

1ステップでのローターの角度が分かっても利用するのは出力軸なので、出力軸が1回転するステップ数と、1ステップでの回転角度が欲しいです。

ローター1回転のステップ数が1相励磁なら32ステップ(1−2相励磁なら64ステップ)、ギヤ比が1:64なので出力軸を1回転させるステップ数は以下のようになります。

  • 1相励磁と、2相励磁なら「32step * 64(ギヤ比) = 2,048step」
  • 1−2相励磁なら「64step * 64(ギヤ比) = 4,096step」

このステップ数から出力軸1ステップの回転角度は以下のようになります。

  • 1相励磁と、2相励磁なら「360° / 2,048step = 0.17578125°」
  • 1−2相励磁なら「360° / 64step = 0.087890625°」

細かくて使い辛そうですが、1相励磁なら256ステップで「0.17578125° * 256 = 45°」と考えると少し計算し易いです。

まとめ

ステッピングモーター(28BYJ-28)の概要は分かりました。ここから動作確認を行なっている情報などを参考にして、Arduinoで動かしていきます。